主婦が個人で仕事を始めたら税金と扶養はどうなる 年末前に確認してみた

自宅のデスクに並ぶノートパソコンと発送用の箱、ノートのイメージ

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年末が近づいてきて、今年の所得もだんだん予想できるようになってきた。そこで今回は、主婦が個人で仕事をした場合、本人の税金や夫の扶養にどんな影響があるのか、確認を兼ねて調べてみた。

ランサーズなどで仕事を受けたり、個人でできる小さな商売を始めたり。生活の合間に仕事ができて、所得税や住民税がかからない範囲で収入を得られるなら、家計にとってメリットはあると思う。我が家にも、ほかの家庭にも関係のある話だ。

妻は今、俺の仕事を少し手伝ってくれている。現状は生活に困っているわけではなく、新しい仕事を始めることには、それほど興味がなさそうだ。今回は、すぐに何かを始めるというより、働き方の選択肢として知っておきたかった。

俺自身は自営業だが、ここでは一般的な「夫が会社員で、妻が個人で仕事をする家庭」を例に整理する。税金と社会保険では、同じ扶養という言葉でも見るところが違う。まずはそこを分けて考えることにした。

🧾 売上と所得は分けて考える

最初に押さえておきたいのは、売上と所得の違いだ。個人で仕事をした場合、税金では基本的に売上から必要経費を引いて考える。青色申告特別控除が使えるなら、その控除も差し引いて所得を計算する。

ここから書く「利益」は、売上から必要経費を引いた後、青色申告特別控除を引く前の金額。売上だけを見て、扶養を外れそうだ、税金がかかりそうだと判断すると、話がずれてしまう。

ただし、開業届を出せば誰でも青色申告の65万円控除が使えるわけではない。事業所得として認められる仕事で、青色申告の承認申請や複式簿記、期限内の申告、e-Taxなどの要件を満たす必要がある。業務委託でも、働き方の実態によって雑所得になる場合があり、その場合は青色申告特別控除を使えない。

💰 本人に所得税や住民税がかからない目安

2026年分の所得税では、低い所得帯の基礎控除は104万円。ほかに所得がない場合、青色申告特別控除を使わなくても、利益104万円以下なら所得税はかからない。65万円控除を使える場合は、利益169万円以下が目安になる。

一方、住民税は別に見る必要がある。俺も「40万円を超えたあたりからかかった記憶がある」と思っていた。確認すると、扶養親族などがいない人の非課税ラインが、所得41万5,000円以下という自治体もある。記憶はだいたい合っていたようだ。

ほかの所得がなく、妻本人に税法上の扶養親族や同一生計配偶者がいない場合の例を、利益の金額で並べるとこうなる。子どもの扶養は夫側に付ける想定だ。

本人の税金青色申告特別控除なし青色申告65万円控除あり
所得税がかからない目安利益104万円以下利益169万円以下
住民税・森林環境税がかからない目安
自治体の例
利益41万5,000円以下利益106万5,000円以下

所得税は2026年分、住民税はその所得に対する2027年度分。住民税の行は、非課税ラインが所得41万5,000円の自治体の例で、住む自治体や本人が扶養する家族によって変わる。所得税がかからなくても、住民税はかかることがある。

税金がかからない範囲といっても、ひとつの金額では済まないのがややこしい。とはいえ、売上と経費を把握しておけば、自分がどのあたりにいるかは見えてくる。

👫 夫の配偶者控除はどこから変わるのか

夫の合計所得が900万円以下などの条件を満たす場合、妻の所得が95万円以下なら、夫の所得税では配偶者控除か配偶者特別控除で38万円を差し引ける。妻の所得62万円以下では配偶者控除、62万円超から95万円以下では配偶者特別控除になるが、控除額は同じだ。

青色申告の65万円控除を使えるなら、妻の利益が160万円でも、所得は95万円。ほかに所得がなければ、夫の所得税の38万円控除を維持できる計算になる。38万円は、税金を計算する所得から差し引く金額だ。

妻の所得が95万円を超えると、夫の所得税の控除額は段階的に小さくなり、133万円を超えると対象外になる。夫の住民税は少し基準が違い、夫の合計所得900万円以下の場合、妻の所得100万円以下までは33万円の控除額を維持できる。

開業届を出したこと自体で、夫の税金の控除がなくなるわけではない。どれだけ所得が出るか、使える控除があるかを確認する必要があるということだ。

🏥 社会保険の扶養は別の計算

社会保険の扶養は、妻が60歳未満の場合、原則として年間収入130万円未満が基準になる。同居なら夫の年間収入の半分未満という原則もあり、世帯の生計維持の状況から認められる場合もある。130万円だけを見ればよい、という話でもない。

さらに、ここでいう年間収入は、今年1月から12月までの実績だけではなく、その時点から今後1年間の見込みで考える。年末に今年の所得を確認する税金の話とは、期間の見方も違う。

個人事業では、売上から健康保険が認める必要経費を引いて判定するが、税務上の経費と同じとは限らない。青色申告特別控除の65万円も差し引けない。自営業者の扱いや認められる経費は加入先によって違うので、夫が入っている健康保険のルールを確認する必要がある。

つまり、青色申告で本人の所得税がかからない範囲でも、社会保険の扶養からは外れることがある。妻が扶養を外れて個人で仕事を続けるなら、国民健康保険や国民年金などの負担も含めて、家計全体で考えることになる。

妻が扶養を外れたことだけで、夫本人の健康保険料が通常増えるわけではない。家計への影響として大きいのは、妻側に新たな保険料負担が生じることだ。税金が少なく済むことと、社会保険の負担を抑えられることは、分けて確認しておきたい。

🧮 帳簿や申告は慣れると少しずつ楽になる

個人で仕事をするなら、売上や経費の記録も必要になる。このあたりが面倒で、始める前から気が重くなる人もいると思う。俺の実感としては、やればやるほど簡単になってくる。

俺はMF確定申告を使っていて、自動連携も活用している。たぶん、一昔前ほどは時間がかからなくなっているんじゃないだろうか。帳簿管理の手間が大きい物販でも、そんなにため込まなければ大丈夫だ。

帳簿付けと領収書整理、決算の報告まで、1日で済ませている作業もある。経理の話は以前にも記事にしたことがあるが、慣れるとそのくらいで済む。仕事の内容や取引量によっても手間は変わる。

申告についても、所得税の確定申告が不要な場合はある。ただ、青色申告の55万円・65万円控除を使うには期限内の確定申告が必要で、所得税の申告が不要でも住民税の申告が必要になる場合がある。税額だけでなく、必要な手続きも確認しておきたい。

少額の仕事でも、記録や申告の手間を含めて、自分に続けられそうか考えるのが良いと思う。俺は慣れて楽になったので、最初の印象だけでずっと大変だと思わなくてもいいんじゃないかと感じる。

🚶 通勤がない生活は手放したくない

働き方を考えると、俺が自営業になって一番良かったと思うのは、通勤がなくなったことだ。これは本当に大きい。

通勤について調べた中でも、勤務時間が増えるより通勤時間が増えることを避けたいという傾向があるらしい。俺にとっても、毎日会社へ向かう必要がないことは、今の働き方を続けたい理由になっている。

もうひとつ良いのは、働く理由が自分の中にあることだと思う。俺は、会社へ行く理由が「行きたくないけど、行かなくてはいけない」になってしまうのは、あまり良くないのかなと感じる。

もちろん、安定した給与を得られるのは会社員の大きなメリットだと思う。ただ、自分のやる気や仕事への熱量が合わないと、嫌な思いをすることもある。俺には、自分で納得して仕事を進められる今の生活が合っている。

仕事への熱意を調べた研究でも、自分で決められる感覚や仕事に意味を感じることが関係しているという結果があった。会社員か自営業かだけで決まるものではないようだが、俺が今の働き方を気に入っている理由には重なる。

一度自営業になると、会社員には戻りたくない。俺はそう思っている。とはいえ、もし今後、売上が思うように伸びず、生活を支えるのが難しくなったら、妻にも働いてもらうことをお願いする。そのときは俺も外で働く。そうならないように、今の事業を続けられるよう努力している。

📝 まとめ

年末が見えてきたことで、今年の所得と、家族が仕事をする場合の税金や扶養を確認する機会になった。売上と所得、所得税と住民税、社会保険の収入。同じお金の話でも、それぞれ見る基準が違うことを整理できた。

生活の合間にできる仕事で家計の足しを得られるなら、それはメリットだと思う。帳簿や申告の手間も、俺は続けるうちに楽になってきた。今は妻にも少し手伝ってもらいながら、通勤のない働き方を続けている。この生活を続けたいからこそ、収入の見通しと家計のことは、これからも確認していきたい。