「近所の小学校がなくなるらしい」母の一言から、小学校の統廃合を本気で調べた話

「近所の小学校がなくなるらしい」母の一言から、小学校の統廃合を本気で調べた話

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先日、位牌整理のために実家へ帰ったときのことだ。老後の母が、ぽろっとこう言った。「近所の小学校、そのうちなくなるらしいよ」。俺は思わず手を止めて、その場でスマホを取り出して調べ始めた。気になったら調べずにいられない性格なので、これはもう条件反射みたいなものだ。

近所の小学校も統合先の小学校も、地元の人間なら誰でも知っている小学校だ。それがなくなる――? 俺は家を買うとき、小学校の近さをかなり気にして選んだ人間だ。これは他人事じゃない。というわけで、その場で調べた内容を日記としてまとめておく。同じように「うちの地域の小学校、大丈夫かな」と不安になっている家庭の参考になればと思う。

🏠 家を買うとき、俺が一番こだわったこと

家を買うときに俺が最優先にしたのは、実は学校じゃなくて駅からの距離だった。理由ははっきりしている。売れない土地や建物を買ってしまうと、本当に負債になってしまうからだ。自宅を買うという贅沢をするにしても、まだマシなところを選びたいと思った。人生何があるかはわからない。だからこそ、いざというとき手放せる場所を選ぶ、というリスク管理をしたわけだ。当時はまだ会社勤めだったので、通勤距離と実家との距離のバランスも考えて、住む場所を決めた。

2番目は車だ。俺の生活には、車が完全に溶け込んでいる。だから、旧道みたいにすれ違いが難しそうな場所は避けた。駐車場は2台分、それも縦列じゃなく横に並べて停められる構造にこだわった。あとは国道17号へのアクセスのよさ。このへんは住んでみないとわからない、地味だけど毎日効いてくるポイントだ。

そして3番目が、ようやく小学校の距離だった。

🚶 「毎日2時間歩く通学」を見てきたから、学校の距離にこだわった

小学校までの距離にこだわったのには、子供の頃の記憶が関係している。俺が子供の頃、毎日1時間以上歩いて通学している人がいた。行きと帰りで、毎日2時間以上だ。代々受け継いだ土地に住んでいるから仕方ない、という感じではあったんだが、子供としては正直、可哀想だと思っていた。

自分の子供が同じように歩くことを考えると、さすがに15分以下にはしたい。通学距離が長くなれば、それだけ交通事故のリスクも上がるだろうし、遠くていいことはほとんどないと思っている。だから家選びの条件に、ちゃんと小学校までの距離を入れておいた。

……そういう経緯があるからこそ、「近所の小学校がなくなる」という母の一言は、俺の地雷をピンポイントで踏んできたわけだ。

📋 位牌整理で実家に帰ったら、母から衝撃の一言

ここで一つ感心したのが、情報の出どころだ。うちの母は、老後の生活をしながらもスポーツや音楽活動で地域に接して活動しているので、世間の耳がやたら早い。

よく考えると、地域の最新情報って、市報や行政機関の張り出しなんかを見ている人のほうが詳しかったりする。俺みたいにネットに依存している人間より、ネットを使わない世代のほうが、地元の動きに強い。考えてみれば当たり前で、ネットには、自分が住んでいる地域の情報は自分でアクセスしにいかないと入ってこない。SNSのタイムラインに「あなたの学区の小学校が統合されます」なんて、わざわざ流れてはこないのだ。

だから母の「近所の小学校がなくなるらしい」は、ただの噂話と侮れない。俺はその場で調べた。

🔍 その場で調べてわかった「統合案」の中身

調べてみると、熊谷市が「学校規模適正化」として、少子化に合わせて小学校・中学校の統廃合の案を出していた。近所の小学校について言うと、統合先の小学校と合併して、統合先の小学校の場所に新しい学校を作る、という案だ。

で、ここがおもしろいところなんだが、統合の「年度」が途中で変わっていた。市が少し前に配っていた資料だと、統合先の小学校と近所の小学校の合併は2030〜2034年度の案だった。ところが、令和6年度(2024年度)に年度の見直しが行われて、最新の資料では2040〜2049年度まで後ろ倒しされていた。ざっくり約10年、先送りされた計算になる。

統合する小学校以前の案最新の案
統合先の小学校・近所の小学校(→統合先の小学校に合併)2030〜2034年度2040〜2049年度

この表を見たとき、正直ホッとした。2040年以降なら、うちの子はもうとっくに小学校を卒業している。直接の影響は、まずない。

🧮 そもそも何人になったら「統合候補」なのか

せっかくなので、どれくらいの規模になると統合候補になるのか、基準も調べた。

まず国(文部科学省)の基準だと、小学校は12〜18学級が標準で、1学年あたり2クラス以上が望ましいとされている。

熊谷市はもっと具体的で、こういう二段構えになっている。

こういう状態が見込まれると…熊谷市の対応
複式学級ができそう直ちに、統合の適否を検討する
全学年が単学級(1クラスずつ)になりそう児童数を注視しつつ、統合の適否を検討する

ここで出てくる「複式学級」というのは、2つの学年を1つのクラスにまとめる編成のことだ。小学校の場合、隣り合った2つの学年を合わせても16人以下(1年生を含むときは8人以下)になると、複式学級になる。逆に言えば、1学年がだいたい41人を超えれば2クラス、40人以下なら1クラス(単学級)、というのが分かれ目だ。

つまり、「1学年が40人を割って、全学年が1クラスずつ」になると黄信号。「隣の学年と足しても16人を切る」ところまで減ると赤信号。そんなイメージで読めばいい。

😲 もう統合された小学校が、思った以上に少人数だった

基準を調べたあとに、すでに統合された小学校の実際の人数を見て、俺は正直びっくりした。思った以上に少なかったのだ。

たとえば、2023年に統合されたA小学校は、統合前で全校51人。1学年あたり5〜8人だ。5年生が5人、6年生が8人なんて学年もあった。さっきの複式学級の基準(隣り合う2学年で16人以下)に、もう片足を突っ込んでいる数字だ。

2025年に統合されたB小学校も全校51人。やっぱり1学年5〜14人くらい。これだけ少ないと、クラス替えもできないし、運動会も学芸会も、成立させるのが大変だろう。数字で見ると、「これは統合もしょうがないな」と納得してしまった。

駅から遠いところは、どんどん人口が減っている感じはしていたが、熊谷市でもこういう場所が出てきているんだな、と実感した。

📉 近所の小学校も推計では小さくなる。でも俺がそんなに不安じゃない理由

じゃあ肝心の近所の小学校はどうなのか。市の2018年の推計を見ると、こうなっていた。

年度児童数学級数
2018年度281人11学級
2025年度245人11学級
2035年度203人6学級(全学年1クラス)
2055年度155人6学級(全学年1クラス)

推計上は、2035年あたりで全学年1クラスずつ(6学級)になる見込みらしい。これが「注視しつつ検討」の基準にあたるので、統合案に名前が挙がっているわけだ。なるほど、と納得した。

ただ、俺はそんなに不安には思っていない。理由は単純で、籠原駅の周りは人口が増えている地域だからだ。住宅開発もどんどん進んでいる。だから、推計の数字よりは踏みとどまるんじゃないか、むしろ人口は増えていくんじゃないか、とさえ思っている。実際、統合年度も延期された。地元びいきを差し引いても、俺の読みは今のところ、そんなに外れていない。

🌏 全国でも、統廃合の流れは加速している

これは熊谷市だけの話じゃない。全国的に少子化が進んでいるので、同じように不安な家庭は多いと思う。

文部科学省も2026年3月に、学校の統廃合に関する「手引」を10年ぶりに改訂する方針を出した。12〜18学級という標準は維持しつつ、1つの市町村だけでは規模を保てない場合は、市町村の枠を越えて周りの自治体と統合を検討しよう、という方向らしい。実際、公立の小中学校は2015年度から2024年度までの間に、2400校も減っている。

ただ、文科省も「基準に機械的に縛られず、各自治体が主体的に判断すべき」とも言っている。だから「小規模校=即廃校」というわけではない。ここは、不安になりすぎなくていいポイントだと思う。

📝 まとめ

母の一言から調べ始めたら、思った以上に深いテーマだった。

仮に2040年以降に近所の小学校がなくなってしまったら、子供にとっては母校がなくなって残念かもしれない。でも、時代の流れだから、これはもうしょうがないと思っている。

認定されてしまった小規模校でも、すぐ統合されるわけじゃないこと。統合の年度は、推計の見直しで普通に動くこと。そして、いちばん正確なのは、自分の住む自治体の計画を、自分で確認することだ。ネットに流れてこない情報は、自分で取りにいくしかない。うちの母がアナログで周りの人の情報感度が良かったため、今回はすぐに情報を得ることができた。たまには市のホームページもしっかり見ようとも思った。


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