実家の土地の境界立会いに行ってきた。20分で終わったが、俺の登記住所は古いままだった

実家の土地の境界立会いに行ってきた。20分で終わったが、俺の登記住所は古いままだった

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7月24日、金曜日。朝10時半から、実家の土地の境界立会いだった。

日光が容赦なく照りつけて、立っているだけで汗が噴き出す。埼玉の7月を甘く見てはいけない。

自営業だから平日の午前を空けるのは難しくない。店を開けて客を待っているわけでもないし、日程も前から聞いていた。これが会社員だったら有給を取るところだと思う。自分の時間をコントロールできるのが少し嬉しい。

実家の敷地と駐車場の様子

🏠 なぜ俺が呼ばれたのか

祖父が亡くなったとき、実家まわりの土地は祖母と俺で分けて相続した。俺の分は平成30年に相続登記まで済ませてある。母親は今もその土地の家に住んでいる。

その後、祖母が亡くなって、隣接する土地は叔母が引き継いだ。そして今回、叔母の娘の夫がそこに家を建てることになった。

家を建てるには境界を確定させる必要がある。住宅ローンの抵当権を設定するのにも、建物の設計をするのにも、土地の範囲がはっきりしていないと話が前に進まない。

だから隣接地の所有者である俺に声がかかった。つまり俺は協力する側だ。

調べてみたら、境界立会いに応じる法的な義務はないらしい。断ってもいい。でも断る理由がない。親族の家づくりだし、俺の土地の境界もはっきりする。しかも測量の費用を出しているのは相手側だ。

🌾 田舎には「隣組」がある

当日集まったのは、俺と、隣の2軒の代表者と、土地家屋調査士。それと叔母だ。

隣の2軒とは顔見知りだ。田舎には隣組というものがあるから、まったく知らない人ということはない。

回覧板を回して、ゴミ捨て場を掃除して(間違えて出されたゴミの片付けとか)、葬式があれば受付を手伝う。班長が集金に回る。そういう単位だ。

叔母が「忙しいところ、すみません」と挨拶していた。平日の午前中に人を集めるというのは、それなりに気を遣う。

調べて知ったんだが、隣組は1940年に内務省の訓令で全国に組織されたもので、戦後の1947年にGHQによって行政組織としては廃止されている。それが町内会の下の「組」や「班」として今も残っている。回覧板に判を押して隣に回すというスタイルも、当時からのものらしい。

80年以上前の仕組みの名前が、うちの地元では普通に生きている。

そして、この面倒くささが、こういう場面ではちゃんと効く。隣に誰が住んでいるか知らないような土地だったら、平日の午前に全員集めるところから難航していたはずだ。

📐 立会いの前に、答えはもう出ていた

実は立会いの前に現地を見に行ったとき、ピンク色の仮の印がもう入っていた。

これは調査士が事前に測量して、「たぶんここが境界だろう」という位置に印をつけておいたものだ。

つまり当日ゼロから測るわけじゃない。用意された答えを、関係者全員で確認して確定させる。それが立会いだ。だから20分か30分で終わる。

敷地の砂利と家際のコンクリートブロック

☀️ 炎天下の20分

調査士は2人来ていた。1人が東側、もう1人が西側を担当して、それぞれ説明しながら回っていく。手際がいい。

仮の印のところに木杭が打たれて、ピンクのテープが巻かれる。

「ここが境界になります」という説明を聞いて、納得したら書類に署名して認印を押す。それで終わり。

もめごとは一つもなかった。隣の2軒の人も、そのまま確認するだけという感じだった。

俺は事前に調べていたから、免許証と認印を持っていった。持っていかなかったら出直しだったかもしれない。この手の場に呼ばれたら、とりあえずこの2つは持っていったほうがいい。

書類は後日郵送されると聞いている。調べたところ、現地の立会いのあとに調査士が測量図を作って、その図面とセットになった書面に改めて署名押印をもらうのが一般的らしい。当日押したのは立会いに参加したという記録で、本番の書類はこれから届くということだと思う。

ブロック塀際に打たれた境界杭とピンクテープ

📮 俺宛の通知が、前の住所に行っていた

立会いの少し前、叔母と話していて聞いた。

調査士から俺宛に出した通知が、届かずに返送されてきたという。

理由は単純で、俺の登記簿上の住所が、相続登記をしたときの古い住所のままだったからだ。

住民票はちゃんと移してある。でも登記は別だった。

親族だから連絡がついた。これが他人だったら、俺は「連絡の取れない土地の所有者」になっていた。

所有者と連絡が取れない土地は、それだけで話が止まる。売ることも、隣が家を建てることも簡単じゃなくなる。所有者不明土地とか空き家の問題というのは、こういう小さな放置の積み重ねなんだろうと思った。

⚖️ 住民票を移しても、登記は勝手に変わらない

叔母と「これ、住民票を移しても反映されないんだね」という話をした。

市役所と法務局はつながっていない。引っ越しの手続きをどれだけ丁寧にやっても、登記簿の住所は自分で申請しない限り古いままだ。

正直、欠陥制度じゃないのかと思った。その場では口に出さなかったけど。

しかも調べたら、住所変更登記は2026年4月から義務化されている。過去に引っ越した分も対象で、期限は2028年3月31日。正当な理由なく放置していると催告が来て、それでも従わないと5万円以下の過料の対象になる。

なのに個別の通知は来ない。俺のところにも何も届いていなかった。知らないまま期限を迎える人は相当いるはずだ。

申請自体はオンラインでできるらしい。法務省の「登記ねっと」というサービスで、登録免許税は不動産1個につき1,000円。ただし対応OSはWindowsだけだ。

Macしか持っていない人は、ここで一度詰まると思う。

なお、ここに書いた制度の内容は2026年7月時点で調べたものだ。個別の手続きについては法務局や専門家に確認してほしい。

🪧 得したのかというと、微妙だ

立会いが終わって、自分の土地の境界にも杭が入った。費用は相手持ちだから、タダで境界の一部が確定したことになる。

将来この土地を売るときに測量費用が数十万円単位で浮く、という話にもなりそうだが、そう単純でもない。入ったのは一部の点だけだ。土地を四角形だとすれば、まだ杭が入っていない角がある。全部やるなら結局は自腹になる。

そもそも、この土地が資産なのか負債なのかもわからない。田舎の土地だ。母親が住んでいるうちは動かせないし、母親はこの家に亡くなるまで住むわけで、そこは俺のコントロール下にない。

人口が減っていく流れは変わらないと思っている。都心や県庁所在地の近く以外は、土地の価値は下がっていく前提で考えたほうがいい。この土地をどう処理するかは、後々考えることにしている。

✍️ まとめ

境界立会いなんて、一生に何度も経験することじゃない。でも、まったく経験しないかというと、そうでもないと思う。

実家を相続する。隣が家を建てる。土地を売る。そういう場面が来れば、誰にでも回ってくる話だ。田舎の土地だから特別、という話でもない。

やってみて思ったのは、事前に少し調べておくだけで全然違うということ。免許証と認印を持っていっただけで詰まらずに済んだし、昔の測量図の意味もわかった。

それと登記の住所。心当たりがあるなら一度確認したほうがいい。俺みたいに、通知が返送されて初めて気づくことになる。

もし立会いに呼ばれても身構えなくて大丈夫だ。免許証と認印を持って、20分立っていればだいたい終わる。ついでに自分の登記も見直しておけば、けっこうな収穫になるはずだ。


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